市井の人 2016 3 6

 かつて、日本は、中国に遣隋使や遣唐使を派遣して、
中国文明を学んできました。
 現代の日本人は、もう中国から学ぶことはないと思っているでしょうが、
それは、大きな間違いです。

書名 国が崩壊しても平気な中国人 会社がヤバいだけで真っ青な日本人
著者 谷崎 光  PHP研究所

 まずは、私の好きな中国史から始めましょう。
中国は、20世紀に入ってから、何回か国が滅んでいます。
だから、中国人にとって、国が崩壊することは「日常」でもあります。
 かつて唯一の超大国だった「清」(清帝国)も1912年に滅び、
その後、成立した中華民国も、国共内戦の結果、1949年に台湾に移転しています。
1949年からは、中国共産党政権が支配する中華人民共和国となっています。
 さて、現代の日本人が中国から学ぶべきことは、
この本の題名にある通り、
「国が崩壊しても平気な中国人 会社がヤバいだけで真っ青な日本人」というように、
強い精神力やバイタリティーでしょう。
 中国人にとって、会社とは、
事業家になるためのビジネススクールのようなものでしょう。
今の会社からノウハウを学んで独立する。
だから、中国人にとって、会社とは、独立するまでのビジネススクールになるでしょう。
 中国において、起業の感覚は、アメリカに近いと思います。
アイデアと情熱があるならば、すぐにも起業しなさい。
これは、アメリカ人が、自宅のガレージで事業を興すのと同じような感覚でしょう。
 どうして、こんなに素早い起業が必要なのか。
IT業界やIT事業は、人類が経験したことがない速度で進化を続けています。
だから、IT業界では、「ドッグイヤー」と言われます。
 つまり、犬が1年で7年も年を取るように、
IT業界においては、1年が7年に匹敵します。
 そういうわけで、アイデアを10年も煮詰めたら、70年も経過していることになります。
だからこそ、「アイデアと情熱があるならば、すぐにも起業しなさい」となるのです。
 さて、工業製品においては優位にある日本も、
IT事業においては、アメリカと中国に負けたと言えるでしょう。
それは、能力において負けたのではなく、起業の速度において負けたのです。
 さて、この本では、中国における「普通の人」、
つまり「市井の人」の考え方や感覚、あるいは生活ぶりがわかる本となっています。







































































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